読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「あ」から「ん」まで。

言いたかった事、全部言う!

黒企業が人生変えてくれた⑨

支部の撤退、給料の大幅カット。

正直、モチベーションはガタ落ち。

新規開拓とは聞いていたが、俺たち支部長達は信じていなかった。

このままだと俺たちも巻き込まれて会社と一緒に死んでしまう。

 

普段は犬猿以上の仲なんだが、さすがにこの時は3人で集まって話し合い。

どうしようか考えた時、出た案が"金貸し屋"(笑)

というのも、当時の宮城では3.11前に宮城県に住所を置いていれば審査無しで150万までの貸付金を貰えるということ。

 

てなわけで、3人で450万を頭金に黒キャンパニーオープン!(笑)

"金貸し屋"とは名乗らず、飲食店マネージメントと言ってた。

新聞屋のことを散々クソとか言っておきながら自分も黒企業(仮)を立ち上げたのだ。

 

業務内容は潰れかけている飲食店に融資。

店の信用度により、利息の取り立ては毎週だったり月末だったり。

売り上げが悪ければこっちで経営方針を変える。

グレーながらもこの仕事は勉強になった。

21の俺なんかに人を見極める目なんてあるわけ無いのだけど、たくさんの人と会って話しを聞いたりするうち少しは本質を見極める目がついたんじゃないかと思う。

 

当時の飲食店は震災の影響で数百軒も潰れかけてたし、潰れてしまったとこも沢山ある。

今までのスタイルでいっても末路が知れてるからグレーに手を出す店が多かった。

ほんとにヤバい時は手段を選べないのだ。

これもお互い様で俺らも支部長という立場にありながらいつ給料が減額になってもおかしくないから、必死だった。

 

こうして俺は昼は新聞屋、夜は金貸し屋として眠れない毎日を送った。

10時出勤、20時退勤後、クライアントの飲食店へ。閉店まで店の流れを見て売り上げを見てオーナーや店長と話し合い。

俺らは怒鳴ることなく店の利益のために動く素敵な金貸し屋(笑)

店の回転がわるけりゃおぼんだって持つし、カクテルも作る。

そこの従業員になりきっていた。

 

そんなこんなで帰りは3時過ぎることもあった。

毎日これの繰り返し。

昼は休みあっても夜は3人であっちこっちの店をまわるから休めない。

しかし利益は文句なし。

利息回収率90%以上。

これを1年3ヵ月続けた。

 

こんなにうまくいっていいのだろうか大きな落とし穴がありそうだと思った。

支部長に昇進した時のようにいい話ばかりで最後には給料カット。

なんかあるから疑っておかないと…

ただ!自分の調子良いとき程、自分を見失ってしまうのである。

天狗になったり、今の現状がこれからも永遠に続くという錯覚に陥る。

 

そのとき、現実を見せてくれる事件。

 

客の1人が90万持って逃げたのだ。

 

人間って不思議だと思う。

大金が目の前にあると持って逃げたくなるらしい。考えられない思考だ。

この金で再起しようと思わないのか?

その次の日から探偵を雇って探してもらった。

そしたらそのすぐ次の日だったか更にその次の日だったかな?

その人の奥さんが90万まるまる返しに来てくれた。仙台から神戸まで逃げてたらしい。

こどもが産まれるからどうしても金が必要だったらしい。

 

父親ならしっかり働いてやれ!と伝えて下さいとその奥さんに言っていたがそれも違うと思った。

だって俺たちのしてる事ってこどもに胸張って言える仕事じゃないから。

 

たしかにそうだよな~

こんな事ずっと続けてて意味あるかな?

金持ってるだけって意味あんのかな…

 潮時だな、辞めよう。