気ままLIFE。

~あっちこっち自由に~

字が書けない障害「書痙」を持っても月40万稼いだ氏家さん(仮)

みなさん、日常生活でもしも【文字】が書けなかったらどうしますか?

また、その事実をしっかりと現実として受け入れられますか?

 

今回は僕が新聞営業マンだった頃に出会った当時28歳の氏家さん(仮)の話をしたいと思います。

 

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履歴書は定規で字を書きました!

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新聞営業って意外と面接が多いです。

1日に5人面接したり、1週間毎日が面接日だったり。

だいたいは印象に残らないので、とりあえず明日待ってまーす。とだけ言って合格させます。

んで、だいたい次の日バックレます。笑

 

たしかその週も面接がいっぱい入ってた週だったんですが、1人めっちゃインパクトの強い人が面接に来ました。

 

氏家さん「こんにちは!氏家と申します、今日はお忙しい中ありがとうございます!」

 

礼儀の塊みたいな人でした。

履歴書をもらってビビりました。

字が… なんか… 変。

面接でもクソ汚い字書いたり、達筆にも程あるだろって人かなりいたんですが、氏家さんは超特殊。上手いとか下手とかじゃなく、曲線が多いひらがなもカクカク。

 

氏家さん「字、変ですよね。僕、【文字】が書けない障害があるので、定規で書いたんです、申し訳ありません。」

 

と言って謝られたが、なんのことやらさっぱり…

だって普通に会話してるし、礼儀正しいし、外見は1ミリも違和感なし。

 

氏家さん「学習障害のうちの1つで【書痙】とか言うらしいです。字が書けない病気なんですよ!笑」

 

いや… 明るく言われても…

 

氏家さん「定規使わないで何か書いてみますね。」

 

そう言ってペンを持って紙にペンが近くなった途端に手が震えて止まらなくなってました。

 

氏家さん「たぶん、保育園児の習いたての平仮名と良い勝負ですよ!笑」

 

波打ちまくった字が… 正直、字とも言えないものもありました。

現実を目の当たりにして、ほんとにこんな人いるんだなぁと思いました。

ただ、本人を見る限り辛そうではないかなぁと。

もしかしたら、1人心の奥底で苦しんでるのかもしれませんが、それにしては愉快すぎる氏家さん。

 

人柄も良いし、うちの仕事は契約書を書く時だけしか字は書かないので、それくらいはこちらで対応できるので合格。

新聞屋なんて誰でもなれる仕事なのにめっちゃ喜んでました。

と言うのも、字が書けない事を前の職場で理解してもらえずクビになったそう。

それから就活するも履歴書がネックで断念したそうです。

 

氏家さん「頑張りますので、ご指導よろしくお願いいたします!たくさん稼ぎますから!」

 

 

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自分の障害をネタに人を笑わせられる?

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入った初日にマニュアルを教えました。

氏家さん「これ僕なりに変えても大丈夫ですか?」

そう言って自分の台本を作って一緒に営業に出ました。

 

ピンポン押してお客さんの家へ。

最初の契約までの誘導は僕がしました。

取れそうになったら新人に変わるのが初日の研修です。

契約書を出した氏家さん。あ、それは僕が書きますよと言ったら、彼は大丈夫ですよ!と僕に笑いかけました。

氏家さん「奥さん、僕ね、実は字が書けない病気なんですよ!ほら見てて!……………ね!笑

 

お客さん笑ってねぇー笑

てか引いてるぅー笑

 

そこの家で契約は取れました。

次の家でも同じように彼は、“字が書けないネタ”で営業をかけていました。

 

仕事終わり居酒屋に行って話しました。

 

僕「これから先、何十件や何百件もそのやり方で自虐して契約取るのって精神的にどうなんですか?」

 

氏家さん「ゆうたさんって自分の弱みありますか?」

 

僕「んー… よくわかんないですねー…」

 

氏家さん「いやぁ、流石に社会人になりたての時はキツかったですよ!でもね、

僕はこの障害を去年からやっと自虐ネタにする事が出来たんですよ!

そしたらまわりの支えとか友達が増えて人生楽しくなりましたよー!

結局ね、弱さは認めた方が楽になるんですよ!

だからこの仕事でも使えるモノは使うつもりです!

字が書けないって笑えますよね?笑」

(笑えません。)

 

生まれつきか何歳からこうなったのは聞いてませんでしたが、少なくともリストラにあったり、字が書けない辛さは毎日のように感じてたと思います。

それを人を笑わせる為の道具にするって、どれ程の覚悟なんでしょうか?

 

その後の営業もお客さんの前で

「見て!今から奥さんが見たこと無い字書くからね!おひねりはいらないよー!」

とか言いながら手を震わせてペンを握ってました。

 

自分のコンプレックスを表に堂々とさらけ出せる人はかなり強いです。

簡単に出来る事ではないし、もし自分なら字が書けない事の現実を認めたくないです。

そんな強い彼は2ヶ月目で月収40万稼ぎました。

 

氏家さんは5ヶ月くらいその給料をキープして、辞めていきました。

 

自分のコンプレックスをネタにして人を笑わせられますか?

僕は歯並びが悪いんですが、けっこうなコンプレックスでありまして自虐ネタには出来ません。笑

 

そう考えると彼の器の大きさが目に見えるように分かってきました。

しかも言ってしまえば、彼の弱みって“障害”ですからね!

僕の歯は矯正で治りますが、彼の場合、死ぬまで付き合っていくものですから…

その障害との付き合い方を知った彼はほんとに楽しそうで幸せそうでした!

 

曇り空ってホントにいつか晴れるんですね!

 


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